要約
トランプ政権下での予算削減により、米IRS(内国歳入庁)の人員が2024年末の約10万人から約8万1000人へと約2割減少した。経験豊富なベテラン職員の早期退職が相次ぎ、未処理の確定申告書の滞留や、複雑な監査能力の低下が懸念されている。さらに、移民への情報提供を巡る政治的対立や、トランプ大統領によるIRSへの巨額賠償請求訴訟、トップ不在の混乱も重なる。専門家は、徴税効率の低下が連邦政府の税収減に直結すると警告しており、税務行政の機能不全が現実味を帯びている。
背景情報
* 人員削減の加速: 予算削減に伴う早期退職優遇制度により、組織の要となるベテラン職員が大量流出した。
* 政治的圧力: 移民コミュニティの税務データが国土安全保障省に提供される事態が発生し、申告控えによる税収減が懸念されている。
* 組織の混乱: 8月以降、正式な長官が不在となっており、現在は社会保障局長がIRSのCEOを兼務する異例の体制が続いている。
* 税収ギャップ: 本来徴収すべき税額と実際の税収の差(税ギャップ)は、2021年時点で約6000億ドルに達しており、人員不足によりこの穴がさらに拡大する恐れがある。
今後の影響
* 徴税能力の低下と税収減
高所得者層への監査など、徴税コストに対するリターンが高い業務が停滞し、連邦政府の歳入が減少するリスクがある。
* 納税者サービスの悪化
カスタマーサービスの人員不足により、確定申告に関する問い合わせ対応が滞り、納税者の混乱や申告ミスの増加が予想される。
* 行政の信頼性揺らぐ
トランプ大統領によるIRSへの訴訟や、政治的なデータ利用が続くことで、中立的な税務執行機関としての信頼が損なわれる可能性がある。
