中絶禁止を巡る米国の攻防、オンライン上の言論規制を強める保守派議員の動きが加速

要約

米連邦最高裁による「ドブス判決」から4年、中絶反対派の州当局によるオンライン上の情報発信への締め付けが激化しています。
アラバマ州やアーカンソー州などの司法長官は、中絶薬の販売を行わず情報提供のみを行う「Plan C」や「Mayday Health」に対し、相次いで停止命令を送付しました。
さらにサウスダコタ州などでは、中絶に関連する情報の広告を重罪とする法律が制定されるなど、表現の自由を脅かす動きが続いています。
当局は消費者保護法を盾に情報を制限しようとしており、小規模な団体は訴訟リスクを恐れて自主的な削除を余儀なくされています。
この動きは中絶問題にとどまらず、インターネット上の言論空間全体を萎縮させる深刻な懸念材料となっています。

背景情報

  • 2022年6月のドブス判決により、中絶の是非が各州の判断に委ねられるようになり、全米で中絶規制が強化された。
  • 反中絶派の州当局は、中絶薬を直接販売しない「情報提供サイト」を「違法行為を助長している」と見なし、法的措置をちらつかせて圧力をかけている。
  • 多くの州で、消費者保護法や広告規制を盾に、中絶に関する情報発信を「虚偽広告」や「違法な宣伝」として封じ込める手法が横行している。
  • 訴訟リスクを恐れた小規模団体が、当局からの警告を受けて自主的に情報を削除する「萎縮効果」が深刻な問題となっている。

今後の影響

  • ネット検閲の常態化
  • 中絶情報に限らず、政府が不都合と見なす情報を「消費者保護」の名目で削除させる前例となり、オンライン上の表現の自由が広範に制限される恐れがある。
  • 法廷闘争の激化
  • Mayday Healthがサウスダコタ州を提訴したように、州法と合衆国憲法修正第1条(言論の自由)が衝突する裁判が増加し、最終的には連邦最高裁での判断が求められる可能性がある。
  • 情報アクセスの分断
  • 州をまたいだ情報共有が制限されることで、医療情報を必要とする市民が孤立し、安全な医療へのアクセスがさらに困難になるリスクがある。

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