アルファベットなど純益が一時300%増 未上場AI株の評価益で業績に歪み

マイクロソフトやアマゾン、アルファベットなど米IT大手の直近決算で、アンスロピックやオープンAIといった未上場AI企業への投資評価益が純利益を大幅に押し上げている。市場の利益成長率は前年比48%に急拡大したが、出資益を除いた実態は29%にとどまる。

要点

  • 米巨大IT企業がアンスロピックやオープンAI、スペースXなどの評価益を決算に計上したことで、S&P500構成企業の直近四半期の利益成長率は前年同期比約48%増へと拡大した。
  • LSEGの試算によれば、アルファベットとアマゾンによる未上場株の投資益を除外した場合、全体の実質的な利益成長率はアナリストの事前予想(24%増)に近い約29%増まで抑えられる。
  • アマゾンの純利益は前年同期比240%以上増加したが、主にアンスロピック出資による534億ドルの評価益を除くと成長率は約17%にとどまり、本業以外の要因が好決算を作った。
  • アルファベットもスペースXやアンスロピックの評価益で純利益が約300%急増したが、出資益を除くと約23%増にとどまる。マイクロソフトもアンスロピック益で32億ドル押し上げられた。
  • 未上場のAI大手2社は米証券取引委員会に非公開で上場申請を行っており1年以内の上場が予想されるが、株価変動で今後の四半期決算に評価損の逆風が吹くリスクも指摘されている。

背景:ここに至るまで

AIブームを背景に、アンスロピックやオープンAIといった新興AI企業の評価額は1兆ドル近くに迫る規模へと急騰している。マイクロソフトやアマゾン、アルファベット(グーグル親会社)などの米巨大IT群は、これらのAI新興企業やイーロン・マスク氏率いるスペースXに初期段階から巨額出資を行ってきた。四半期決算の会計基準上、保有する未上場株の評価額上昇は損益計算書のその他の利益項目などに反映される仕組みとなっている。しかし、これらの評価益はソフトウェア販売やクラウドなどの本業で稼いだ利益ではない。大手IT企業(いわゆるマグニフィセント・セブン)はS&P500指数の全体収益の約35%、時価総額の約3分の1を占めるため、一部の巨額投資益が市場全体の決算数値を大きく歪める事態が発生している。

なぜ重要なのか

見かけの好決算に惑わされると、IT市場や株式投資全体の健全性を見誤るリスクがある。決算数値が事前予想を上回るサプライズが続いているように見えても、その背景にあるのは本業の成長ではなく一時的な資産評価益かもしれない。さらに、未上場株の評価額は市場環境次第で急落することもあるため、今後の決算で予期せぬ評価損が相次ぎ、株価の乱高下に巻き込まれる恐れがある点に注意が必要だ。

今後の影響

9月期決算での評価損発生リスク

スペースXの取引価格は新規上場後の最高値から約50%下落している。アルファベットなどは2026年9月期決算において、出資株の時価評価更新により大きな評価損を計上する可能性がある。

アンスロピック等の新規上場動向

アンスロピックとオープンAIは米SECに非公開で上場申請を行っており、今後1年以内の株式上場が見込まれる。IPOの成否がIT大手の評価益や株価を左右する要素となる。

アナリストの業績予想見直し

投資益による数値の膨張を受け、多くの市場分析者は一時的な要因を除外したNon-GAAP(非標準会計)指標や実質予想を重視する姿勢を強め、本業の収益力をより厳しく精査している。

まだ分かっていないこと

  • アンスロピックが2026年9月に成功裏に新規上場を果たし、アルファベットにおけるスペースXの評価損を相殺できるかどうか。
  • 1年以内に予想されるオープンAIおよびアンスロピックの上場において、具体的な売出価格や調達規模がどの程度になるか。

出典

本記事は公開情報をもとにAIが構成しています。重要な判断の際は必ず出典元をご確認ください。

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